きたかぜ と たいようが ちからくらべをすることになりました。
きたかぜはいいました「ぼくはどんなものもふきとばすことができるんだ。つよいのはぼくのほうだ」
たいようはいいました「いやいや、きみはたしかにちからもちだけど、ちからだけではね・・・」
「では、あのたびびとのふくを どちらがぬがすことができるかやってみよう」
きたかぜは、たびびとにむかって おおきくいきをふきました。
たびびとのふくをぬがそうと、ちからいっぱい
ブォーッ ブォーッ
ところがたびびとは、ふくをぬぐどころか「さむい、さむい」といって
コートのえりをあわせ、からだをかたくしてしまいました。
つぎはたいようのばんです。
「どうやら、だめみたいだね。ぼくならこうするよ、みていてごらん」
そういってたいようは、あかるくかがやきだしました。
サンサンとひのひかりがふりそそぎ、あたたかくなってきました。
たびびとは、あせをかき「あつい、あつい」といいながらコートをぬぎました。
きたかぜはたいようにいいました。
「ごめんよ、ちからだけでかとうとしたぼくがまちがっていたね」
そうしてふたりはなかよくなり、もうちからじまんをすることはなくなりました。
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